秋と冬の星座の物語へ

前編に続いて、後編では秋と冬の 6 星座 (てんびん座〜うお座) の神話を紹介します。夜が長くなる季節の星座には、深く静かな物語が似合います。

てんびん座・さそり座・いて座の神話

てんびん座 — 正義を測る女神の天秤。正義の女神アストライア (おとめ座になった女神) が、人の善悪を測るために携えていた天秤が、隣に並んで星座になったと伝えられます。公平を尊ぶてんびん座の原点です。

さそり座 — 狩人を倒した一刺しの蠍。「この世に自分より強い者はいない」と豪語した狩人オリオンを、大地の女神が放った小さな蠍が一刺しで倒した物語。静かに構え、ここぞで力を発揮するさそり座の姿と重なります。今もオリオン座は、さそり座が昇ると沈むと言われます。

いて座 — 賢者ケイローンの弓。半人半馬のケンタウロス族きっての賢者ケイローンは、多くの英雄を育てた師でした。誤って毒矢に傷つき、不死の苦しみから解放されて天に上がった姿がいて座と伝えられます。知と冒険を併せ持ついて座の由来です。

やぎ座・みずがめ座・うお座の神話

やぎ座 — 上半身は山羊、下半身は魚の牧神パン。怪物テュポンに襲われた宴で、慌てて変身した牧神パンは、上半身が山羊、下半身が魚という姿になってしまいました。そのユーモラスで愛らしい姿を、ゼウスが面白がって星座にしたと言われます。まじめなやぎ座の内に秘めたユーモアを思わせる由来です。

みずがめ座 — 神々に仕えた美少年ガニュメデス。ゼウスに見初められ、神々の宴で杯に水 (神酒) を注ぐ役を任された美少年。その水瓶から注がれる水は、天の知恵を人々に届けるものと解釈されます。知恵を万人に注ぐみずがめ座の博愛の原型です。

うお座 — 紐で結ばれた母子の魚。怪物から逃れるため、愛の女神アフロディテと息子エロスが魚に変身し、離ればなれにならないよう互いを紐で結んで川へ逃れた物語。二匹をつなぐ紐は、愛の絆の象徴。深い共感で結ばれるうお座らしい物語です。

よくある質問

12 星座の基本は一覧ガイドでどうぞ。

星座の神話はどの本で読めますか?

子ども向けの星座神話の絵本から、ギリシャ神話の入門書、天文台の解説サイトまで、幅広く紹介されています。伝承には複数の説があるので、読み比べも楽しいもの。図書館の「天文」コーナーと「神話」コーナー、両方に置いてあることが多いですよ。

神話を知ると占いがもっと楽しくなりますか?

なります。たとえば「さそり座の集中力」という性格解説が、神話の「一刺しの蠍」の物語とつながると、記憶に残る生きた知識になります。星座占いは、天文と物語と人間観察が合わさった総合芸術。神話はその物語の層を照らしてくれる灯りです。