十二支はどこから来たのか

「来年の干支はなんだっけ?」。年末になると、誰もが一度は口にする言葉です。

十二支のルーツは古代中国。もともとは動物ではなく、暦の月や方角、時刻をあらわす 12 個の記号でした。「子・丑・寅…」という漢字がそれです。のちに、人々が覚えやすいようにと身近な動物が割り当てられ、いまの「ねずみ・うし・とら…」になったと言われています。

つまり十二支は、動物占いというより「暮らしの時間割」から生まれた知恵。だからこそ暦や六曜と同じく、日本の生活文化に深くなじんでいるのです。

自分の干支の調べ方。西暦を 12 で割るだけ

自分や家族の干支がすぐ分かる、便利な方法があります。西暦の生まれ年を 12 で割った余りを見るだけです。

余り十二支例 (西暦)
4子 (ね)2008・2020
5丑 (うし)2009・2021
6寅 (とら)2010・2022
7卯 (う)2011・2023
8辰 (たつ)2012・2024
9巳 (み)2013・2025
10午 (うま)2014・2026
11未 (ひつじ)2015・2027
0申 (さる)2016・2028
1酉 (とり)2017・2029
2戌 (いぬ)2018・2030
3亥 (い)2019・2031
例: 1995 年生まれ → 1995 ÷ 12 = 166 余り 3 → 亥 (いのしし) 年

ひとつ注意があります。1 月・2 月の早生まれの方は、伝統的な暦 (立春を年の切り替えとする流儀) では前の年の干支になる場合があります。占いの場面で干支を聞かれたら、この流儀の違いを思い出してみてください。

十二支それぞれの象意

各動物には、昔の人の願いが込められています。代表的な象意を見てみましょう。

十二支動物込められた意味
ねずみ子孫繁栄・財の蓄え
うし誠実・粘り強さ
とら勇気・決断
うさぎ飛躍・安全
たつ成功・権勢
へび再生・探究
うま健康・豊作
ひつじ家族の安泰・穏やかさ
さる器用・臨機応変
とり商売繁盛 (とりこむ)
いぬ忠義・安産
いのしし無病息災・突進力

自分の生まれ年の動物の象意を知ると、年賀状の一言にも深みが出ます。

十二支の並び順には、有名な民話もあります。神さまが「元日の朝、挨拶に来た順に一年ずつ動物の年にする」とおふれを出し、足の遅い牛は前夜から出発。その背中にちゃっかり乗ったねずみが、ゴール直前に飛び降りて一番になった——という物語です。猫がねずみに騙されて十二支に入れなかった、という続きもあり、猫がねずみを追いかけるのはそのせいなのだとか。子どもに話したくなる、暦のおとぎ話です。

60 年で一周する「六十干支」

じつは年のめぐりは、十二支だけでは決まりません。「甲・乙・丙…」という 10 個の十干 (じっかん) と組み合わせた「六十干支 (ろくじっかんし)」で数えます。

10 と 12 の最小公倍数は 60。だから同じ組み合わせは 60 年に一度しか巡ってきません。60 歳のお祝いを「還暦」と呼ぶのは、生まれた年の干支に暦が還ってくるから。赤いちゃんちゃんこは「赤ちゃんに還る」という洒落でもあるのです。

歴史の授業で聞いた「壬申の乱」「戊辰戦争」の名前も、じつは起きた年の干支。干支を知ると、歴史の年号も少し身近になります。

年男・年女と、よくある質問

自分の十二支の年を迎えた人は「年男・年女」。縁起が良い年とされ、節分の豆まきの主役に選ばれる地域もあります。12 年に一度の節目として、新しいことを始めるきっかけにするのも素敵です。

干支は 1 月 1 日に切り替わるのですか?

現代の暦ではお正月に切り替えるのが一般的です。ただ、伝統的な暦の考え方では立春 (毎年 2 月 4 日ごろ) を年の始まりとする流儀もあり、占いの流派によって扱いが異なります。年賀状は 1 月 1 日基準で問題ありません。

海外にも干支はありますか?

あります。中国をはじめ、韓国・ベトナム・タイなどアジアの広い地域に十二支の文化があります。面白いのは国による動物の違いで、たとえばベトナムでは「卯」がうさぎではなく猫。旅先で干支の話をすると、文化の違いが楽しめます。九星や方位の知恵は九星気学入門でも紹介しています。

干支にも相性があるのですか?

あります。暦の伝統では、十二支の円の上で調和するとされる組み合わせ (三合など) や、真向かいの「向かい干支」を大切にする文化が語られてきました。面白いのは、向かい干支を「性質が反対だからこそ、お互いを補う守り干支」として親しむ風習があること。江戸の人々は向かい干支の小物を身につけたと言われます。相性も、優劣ではなく物語として楽しむのが干支の流儀です。

年女・年男の年は、縁起が良いのですか?

両方の言い伝えがあります。「神さまのご加護が厚い縁起の良い年」とする地域もあれば、「変化の年なので慎み深く」とする考え方も。共通しているのは「特別な節目の年」という捉え方です。おすすめは、良い説を採って新しい挑戦のきっかけにすること。12 年に一度、自分の動物が主役になる年。それだけで十分、祝う理由になります。